全世界株ETF・投資信託・モメンタムファンドの違い

全世界株に投資する方法には、投資信託とETFがあります。投資信託は金額指定で積立しやすく、NISAのつみたて投資枠でも利用しやすい商品が多いのが特徴です。ETFは証券取引所に上場しており、株式のように市場価格で売買できます。

代表的な全世界株式インデックスファンド

代表的な全世界株式インデックスファンドには、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、楽天・全世界株式インデックス・ファンドなどがあります。eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の運用管理費用(信託報酬)は、2026年5月時点の月次レポートで年率0.05775%以内(税込)とされています。

一方、楽天・全世界株式インデックス・ファンドは、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスへの連動をめざす商品です。MSCI ACWIとFTSEグローバル・オールキャップでは、対象範囲や構成が完全に同じではありません。名前が似ていても、連動対象の指数を確認しましょう。

全世界株ETFは市場価格で売買する

全世界株 ETFとしては、国内上場ETFの「MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信」などがあります。ETFはリアルタイムに近い価格で売買できる一方、売買手数料、売買単位、分配金の扱い、基準価額とのズレなどを確認する必要があります。

長期積立をシンプルに行いたい場合は投資信託、取引時間中に価格を見ながら売買したい場合はETFが候補になります。ただし、頻繁な売買はタイミング判断が難しく、長期投資の方針が崩れやすい点には注意が必要です。

全世界株式モメンタムファンドはインデックス型と別物

全世界株式モメンタムファンドという名称の商品もあります。モメンタムとは、株価の勢いやトレンドに着目する考え方です。たとえば、SMT 全世界株式モメンタムファンドは、短期・中期・長期の株価上昇率などに基づいて投資銘柄を決定する方針の商品です。

これは、時価総額に応じて世界全体に広く投資する全世界株インデックスとは性質が異なります。モメンタム型は、相場の流れにうまく乗れる可能性がある一方、銘柄入れ替えや投資手法によって値動きが大きくなる場合があります。商品名だけで判断せず、目論見書の運用方針、信託報酬、リスクを必ず確認しましょう。

全世界株のメリット・デメリット

メリット:一本で世界分散しやすい

全世界株のメリットは、一本で世界中の株式に分散しやすいことです。個別株を何十銘柄も選ぶ必要がなく、国や地域の配分も指数に応じて自動的に変わります。新興国や日本、欧州なども含まれるため、米国以外の成長も取り込める可能性があります。

また、インデックスファンドは一般的に運用コストが低い商品が多く、長期投資と相性がよいとされています。特に信託報酬は保有中に日々差し引かれるため、長く持つほど確認すべき重要なコストです。

デメリット:大きく増える国を集中して狙う商品ではない

全世界株のデメリットは、良くも悪くも平均的な世界分散になることです。たとえば、米国株が大きく上昇する局面では、S&P500のほうが高いリターンになる場合があります。反対に、米国以外が強い局面では全世界株が相対的に有利になる可能性もあります。

また、全世界株は株式100%に近い商品が多いため、元本保証はありません。短期間で使う予定のあるお金、生活防衛資金、教育費や住宅資金などを無理に投資へ回すのは避けたほうがよいでしょう。

全世界株の買い方と証券会社選び

全世界株 買い方はシンプルです。まず証券会社で口座を開設し、NISA口座を使う場合はNISAの申込みを行います。その後、投資信託の検索画面で「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」などの商品名を入力し、金額、買付方法、積立日を設定します。

SBI証券などネット証券で買う場合の流れ

SBI証券などのネット証券では、投資信託の積立設定を使って毎月一定額を買い付ける方法が一般的です。金額指定で購入できる投資信託なら、少額から始めやすい点も特徴です。証券会社によって、クレカ積立、ポイント付与、投信保有ポイント、取扱商品、画面の使いやすさが異なるため、自分が続けやすい会社を選ぶとよいでしょう。

ただし、ポイント還元だけで商品を選ぶのは慎重にしたいところです。長期投資では、連動対象、信託報酬、純資産総額、運用方針、リスクのほうが本質的です。

つみたてNISAではなく、現在はNISAのつみたて投資枠

「全世界株 つみたてNISA」と呼ばれることもありますが、2024年以降の制度では「NISAのつみたて投資枠」という名称が使われています。金融庁のNISA特設サイトでは、つみたて投資枠の年間投資枠は120万円、成長投資枠は240万円、合計で年間360万円までとされています。非課税保有限度額は総額1,800万円で、そのうち成長投資枠は1,200万円までです。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、運用会社の公式情報でつみたて投資枠・成長投資枠の対象とされています。ただし、販売会社によって取扱いや表示が異なる場合があるため、実際に買う前に証券会社の画面で確認しましょう。

掲示板やランキングを見るときの注意点

全世界株 掲示板では、短期的な相場観や利用者の感想を見られることがあります。ただし、掲示板の投稿は個人の意見であり、正確性が保証されているわけではありません。強気・弱気のコメントに影響されすぎると、自分の投資方針がぶれやすくなります。

全世界株 おすすめやランキングを見る場合も同じです。ランキング上位の商品が必ず自分に合うとは限りません。確認したいのは、次のような基本項目です。

  • どの全世界株指数に連動する商品か
  • 日本を含むのか、除く日本なのか
  • 信託報酬やその他費用はどれくらいか
  • 純資産総額が安定しているか
  • NISAで買えるか
  • 自分の投資期間とリスク許容度に合っているか

最後に:全世界株は「放置して必ず増える商品」ではなく、長期で育てる選択肢

全世界株は、世界中の株式に広く分散できる便利な投資対象です。特に、国や銘柄を細かく選ぶのが難しい初心者にとって、全世界株式インデックスファンドはわかりやすい選択肢のひとつです。

一方で、全世界株にも暴落リスク、為替リスク、米国比率の高さ、元本割れの可能性があります。平均利回りや過去チャートだけを見て判断するのではなく、長期で使わないお金を、無理のない金額で積み立てる姿勢が大切です。

全世界株とS&P500のどちらを選ぶか迷う場合は、「米国により強く賭けたいのか」「世界全体に任せたいのか」を考えると整理しやすくなります。投資は将来を保証するものではありません。最終的には、目論見書や月次レポートを確認し、自分の家計、年齢、投資期間、リスク許容度に合った方法を選びましょう。

<参考サイト> 三菱UFJアセットマネジメント eMAXIS公式サイト / eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)月次レポート / MSCI公式サイト / 金融庁 NISA特設ウェブサイト / S&P Dow Jones Indices公式サイト / 楽天投信投資顧問公式サイト / 三井住友トラスト・アセットマネジメント公式サイト / SBI証券公式サイト