全世界株は、日本・米国・欧州・新興国など、世界中の株式にまとめて分散投資できる方法として注目されています。特に「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、いわゆるオルカンをきっかけに、全世界株インデックスや全世界株ETF、S&P500との違いが気になる方も多いでしょう。この記事では、全世界株の仕組み、チャートや推移の見方、平均利回りの考え方、メリット・デメリット、買い方までを中立的に解説します。

全世界株インデックスをイメージしたチャート画像

この記事でわかること

  • 全世界株とは何か、全世界株指数との関係
  • 全世界株のチャート・推移・利回りを見るときの注意点
  • 全世界株とS&P500の比較ポイント
  • eMAXIS Slim 全世界株式やETFの違い
  • NISAでの買い方、証券会社選びの考え方

全世界株とは?世界中の株式にまとめて投資する考え方

全世界株とは、ひとつの国や地域だけでなく、世界中の株式市場に幅広く投資する考え方です。代表的な全世界株指数には、MSCI ACWI(MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス)があります。MSCI ACWIは、先進国と新興国の大型株・中型株を対象とし、世界の投資可能な株式市場のおおよそ85%をカバーする指数です。

つまり、全世界株インデックスに連動する投資信託やETFを持つと、世界の主要企業に広く分散投資する形になります。ただし「全世界」といっても、地球上のすべての会社に均等に投資するわけではありません。多くの全世界株指数は時価総額加重型のため、株式市場の規模が大きい国や企業ほど構成比率が高くなります。

全世界株オールカントリースリムとは?

日本でよく知られている商品が、三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」です。愛称は「オルカン」で、日本を含む先進国および新興国の株式市場の値動きに連動する投資成果をめざすインデックスファンドです。

同ファンドの月次レポートでは、ベンチマークは「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」とされています。2026年5月29日時点の月次レポートでは、資産構成は国内株式5.0%、先進国株式(除く日本)82.7%、新興国株式12.2%でした。国・地域別では、アメリカ62.4%、日本5.0%、イギリス3.1%、台湾3.0%、カナダ2.9%などとなっています。

この構成からわかるように、全世界株式 eMAXIS Slimは「世界に均等に投資する商品」ではなく、世界の株式市場の大きさに応じて投資する商品です。結果として、米国株の比率が大きくなりやすい点は理解しておきたいポイントです。

全世界株式 eMAXIS Slim 除く日本との違い

eMAXIS Slimシリーズには「全世界株式(オール・カントリー)」のほかに、「全世界株式(除く日本)」もあります。オール・カントリーは日本株を含みますが、除く日本は日本株を含みません。

すでに日本株の個別株や国内株式ファンドを多く持っている場合は、海外株式部分を補う目的で「除く日本」を選ぶ考え方もあります。一方で、一本で日本を含む世界全体に投資したい場合は、オール・カントリーのほうがシンプルです。どちらが正解というより、すでに持っている資産との重なりを見て選ぶことが大切です。

実は、全世界株は「分散されているから安全」と単純に考えると、見落としやすい落とし穴があります。その真相は次のページへ。