半導体株価ランキングの見方|日本の主要10銘柄と順位だけでは判断できない理由

ランキング上位銘柄を比較する際の決算ポイント

売上高だけでなく営業利益を見る

売上高が増えていても、原材料費、研究開発費、人件費などがそれ以上に増えれば、利益は減少します。

半導体企業を比較する際は、売上高の伸びだけでなく、営業利益と営業利益率が改善しているかを確認しましょう。

受注高と受注残高を確認する

製造装置や検査装置を扱う企業では、受注高や受注残高が将来の売上高を考える材料になります。

ただし、受注してから装置を納入し、売上高として計上するまでには時間差があります。受注残高が大きくても、部品不足や顧客都合による納期変更があれば、想定した時期に売上高へ反映されない場合があります。

在庫の増加理由を確認する

半導体メーカーや材料会社の在庫が急増している場合、製品が売れずに残っている可能性があります。一方、需要増加や新製品の出荷に備えて計画的に在庫を確保しているケースもあります。

在庫額の増減だけで判断せず、決算説明資料で会社が説明する理由を確認することが大切です。

会社予想と市場予想を分けて考える

企業が増収増益を発表しても、市場参加者が期待していた水準に届かなければ株価が下落することがあります。

半導体株は将来への期待で動きやすいため、過去の実績よりも、次の四半期や通期の売上高・利益予想が重視される場合があります。

株価ランキング上位でも注意したいリスク

上位銘柄への集中

時価総額加重型の指数やETFでは、規模の大きい銘柄ほど構成比率が高くなる傾向があります。複数銘柄へ投資する商品でも、上位数社の値動きが全体を大きく左右する場合があります。

銘柄数だけでなく、上位5社や上位10社で全体の何%を占めているかも確認しましょう。

株価上昇後の反動

値上がり率ランキングの上位銘柄は、短期間で大きく上昇している場合があります。好材料がすでに株価へ反映されていると、決算発表後に利益確定売りが広がることがあります。

「上昇しているから今後も上がる」「下がったから割安になった」とは限りません。

シリコンサイクル

半導体業界では、需要増加を受けて各社が生産能力を拡大した後、供給過剰によって製品価格が下落することがあります。この需要と供給の循環は、一般にシリコンサイクルと呼ばれます。

足元の業績が好調でも、増産計画や顧客在庫の増加によって、将来の需給悪化が先に株価へ織り込まれる場合があります。

輸出規制や国際情勢

高性能半導体や半導体製造装置は、各国の輸出管理政策の影響を受けます。規制が変更された場合、販売できる地域や製品が制限される可能性があります。

また、生産拠点や材料の供給地域で災害、紛争、物流の混乱が起きると、企業の生産や納入に影響することがあります。

為替変動

海外売上高の割合が高い日本企業では、円安が円換算の売上高や利益を押し上げる場合があります。一方、海外から調達する材料や部品の費用も増加するため、円安がすべての半導体関連企業に有利とは限りません。

個別株と半導体ETFはどう使い分ける?

個別株の特徴

個別株では、選んだ企業の製品や技術が成長した場合に、その恩恵を直接受けられる可能性があります。

一方で、主要顧客の発注減少、新製品の開発遅延、競争激化など、企業固有の問題による影響も集中して受けます。企業の決算や事業内容を継続的に確認する必要があります。

半導体ETF・投資信託の特徴

半導体関連のETFや投資信託を利用すると、複数の企業へまとめて投資できます。一つの企業で業績悪化が起きた場合の影響を分散しやすい点が特徴です。

ただし、複数銘柄で構成されていても、半導体という一つの産業へ集中します。半導体業界全体が下落すれば、ETFや投資信託の価格も下落する可能性があります。

半導体株価ランキングを見る際のチェックリスト

  • 何を基準にしたランキングなのか
  • 基準日と比較期間はいつか
  • 1株価格ではなく時価総額も確認したか
  • 企業が半導体産業のどの工程を担当しているか
  • AI、メモリ、車載など、主な需要先はどこか
  • 売上高だけでなく営業利益率も伸びているか
  • 受注、在庫、会社予想に変化はないか
  • PERやPBRを同じ分野の企業と比較したか
  • 直近の急上昇だけを理由に選んでいないか
  • 保有資産が半導体株へ偏りすぎていないか

ランキングは順位より「何を比べているか」が重要

半導体株価ランキングは、企業選びの候補を見つけるきっかけにはなります。しかし、株価の高い順、値上がり率の高い順、時価総額の大きい順では、それぞれ意味が異なります。

企業規模を比較するなら時価総額、直近の勢いを見るなら期間別騰落率、取引の活発さを見るなら売買代金が参考になります。割安度を確認する場合はPERやPBRを使いますが、半導体業界では利益が大きく変動するため、一つの数字だけで判断することはできません。

また、半導体メーカー、製造装置会社、検査装置会社、材料会社では、業績を動かす要因が異なります。順位だけを見るのではなく、企業の事業分野、決算、受注、在庫、業績予想を確認し、自身の資産全体に占める割合も考えながら判断することが大切です。

※本記事は半導体関連株、株価指数、ETFなどに関する一般的な情報を提供するものであり、特定の銘柄や金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。株式、ETF、投資信託は価格が変動し、投資元本を下回る可能性があります。株価、構成銘柄、構成比率などは変わるため、取引前に各社の開示資料や証券会社の取引画面で最新情報をご確認ください。

<参考サイト>Global X Japan/日経平均プロフィル/日本取引所グループ/米国半導体工業会(SIA)/経済産業省