半導体株価ランキングの見方|日本の主要10銘柄と順位だけでは判断できない理由

目的に合った半導体株価ランキングの選び方

企業規模を比較するなら時価総額ランキング

企業規模を株式市場の評価から比較したい場合は、1株の価格ではなく時価総額を確認します。

時価総額は、次の計算式で求められます。

時価総額=株価×発行済み株式数

時価総額の大きな企業は、一般に市場での存在感や売買規模も大きくなります。ただし、時価総額が大きいことは、今後の株価上昇や業績成長を保証するものではありません。

直近の勢いを見るなら値上がり率ランキング

値上がり率ランキングは、一定期間に株価がどれだけ上昇したかを比較するものです。一般には、前日比、1週間、1か月、年初来、1年などの期間が使われます。

同じ銘柄でも、比較期間を変えると評価は大きく変わります。例えば、短期間に急落した銘柄でも、6か月や1年で見ると大幅な上昇を維持している場合があります。

日本の半導体関連上位10銘柄へ投資するETFでは、2026年7月23日時点の基準価額騰落率が、1か月ではマイナス15.57%だった一方、3か月ではプラス24.66%、6か月ではプラス52.45%でした。

このように、同じ商品でも期間によって「下落している」とも「大きく上昇している」とも表現できます。値上がり率ランキングを見る際は、必ず基準日と比較期間を確認しましょう。

取引の活発さを見るなら売買代金ランキング

売買代金は、株価に売買された株数を掛けた金額です。売買代金が大きい銘柄は、市場参加者の関心が高く、比較的売買が成立しやすい傾向があります。

ただし、売買代金が増える理由は買い注文だけではありません。決算への失望や市場全体の急落によって大量の売り注文が出た場合にも、売買代金は増加します。

売買代金ランキングの上位だから株価が上昇するとは限らないため、前日比やニュース、決算内容と組み合わせて確認する必要があります。

割安度を比較するならPERやPBR

株価が企業の利益や純資産に対して高いか低いかを確認する代表的な指標には、PERとPBRがあります。

  • PER:株価が1株当たり利益の何倍まで買われているかを示す
  • PBR:株価が1株当たり純資産の何倍まで買われているかを示す

ただし、半導体企業は業績の変動が大きいため、PERが低いだけで割安とは判断できません。

半導体需要が好調で利益が一時的なピークにある会社は、PERが低く見えることがあります。その後、製品価格の低下や受注減少によって利益が減れば、株価が変わらなくてもPERは上昇します。

半導体株は分野を分けて比較する

半導体関連株と呼ばれる企業は、同じ製品を販売しているわけではありません。異なる分野の企業を一つのランキングで単純に比較すると、株価が動いた理由を正しく把握できないことがあります。

メモリ関連株

キオクシアホールディングスなどのメモリ関連企業は、NAND型フラッシュメモリやDRAM、HBMなどの製品価格と需給に影響されます。

需要が供給を上回って製品価格が上昇すると、利益が増えやすくなります。一方、各社が一斉に増産して供給過剰になると、販売数量が増えても利益率が低下する可能性があります。

半導体製造装置株

東京エレクトロン、SCREENホールディングス、KOKUSAI ELECTRICなどは、半導体工場で使用される製造装置を扱います。

株価を比較する際は、世界の半導体メーカーによる設備投資、受注高、受注残高、先端製造工程向けの売上構成などが重要です。

半導体の販売額が増えていても、顧客が設備投資を延期すれば、装置会社の業績が伸びない場合があります。

検査・加工装置株

アドバンテスト、レーザーテック、ディスコなどは、半導体の検査、計測、切断、研削といった工程に関係しています。

半導体が高性能化・複雑化すると、検査工程の重要性が高まり、加工に必要な技術も高度になります。ただし、新製品の量産時期が遅れた場合や、顧客の設備投資が一巡した場合には、受注が減少する可能性があります。

半導体材料株

信越化学工業やSUMCOは、半導体の基板となるシリコンウエハーに関係する企業です。

材料会社の業績は、半導体工場の稼働率、出荷数量、長期契約価格、原材料費などに左右されます。装置会社では将来の設備投資が株価材料になりやすい一方、材料会社では実際の生産量が重要になるなど、業績が動くタイミングにも違いがあります。

車載・産業機器向け半導体株

ルネサスエレクトロニクスなどの車載・産業機器向け企業は、自動車生産、工場の設備投資、顧客の在庫調整などの影響を受けます。

生成AI向け半導体が好調であっても、自動車や産業機器向けの需要が同じように増えるとは限りません。「半導体市場が成長している」という情報だけで、すべての半導体株を同じように評価しないことが大切です。

業界全体を見るなら株価指数も確認する

日経半導体株指数

日経半導体株指数は、東京証券取引所に上場する主要な半導体関連株30銘柄で構成される指数です。時価総額ウエート方式で算出され、構成銘柄は原則として年1回、11月末に入れ替えられます。

半導体メーカーだけでなく、製造装置、検査装置、材料、電子部品、半導体商社なども対象となるため、日本の半導体産業を広く確認できます。

フィラデルフィア半導体株指数

フィラデルフィア半導体株指数は、一般にSOX指数と呼ばれ、米国市場に上場する主要な半導体関連企業で構成されています。

日本の半導体関連株も、前日のSOX指数や米国ハイテク株の影響を受けることがあります。ただし、日本企業と米国企業では製品、顧客、収益構造が異なるため、必ず同じ方向へ動くわけではありません。

市場が拡大してもランキング上位株が上がるとは限らない

米国半導体工業会が公表した統計によると、2026年5月の世界半導体販売額は1,206億ドルとなり、前年同月比104.1%増加しました。

世界の半導体販売が拡大していることは業界全体にとって重要な材料ですが、ランキング上位企業の株価が必ず上昇することを意味するものではありません。

株価は、現在の業績だけでなく、市場が予想する将来の利益まで先回りして動きます。市場の期待が非常に高い銘柄では、増収増益を達成しても、事前予想を下回ったことで株価が下落する場合があります。

ランキング上位という理由だけで選ぶと、成長期待が株価へ織り込まれている可能性を見落とします。購入前に確認したい数字とリスクを次のページで整理します。