日本株・米国株の代表的な半導体関連企業

半導体関連企業を比較するときは、設計会社、製造会社、装置会社などを分けて考えることが重要です。以下は、2026年7月時点における代表的な企業の例です。特定銘柄の購入を推奨するものではありません。

分野主な役割代表的な企業例
半導体設計AI、CPU、通信向けなどの半導体を設計NVIDIA、AMD、Broadcom
受託製造他社が設計した半導体を製造TSMC
メモリDRAM、NAND、HBMなどを製造Micron Technology、キオクシアホールディングス
製造装置半導体工場で使う各種装置を提供東京エレクトロン、SCREENホールディングス、ASML、Applied Materials、Lam Research
検査・計測半導体や製造工程の品質を確認アドバンテスト、レーザーテック
車載・パワー半導体自動車や産業機器の電力制御に利用ルネサスエレクトロニクス、ローム、Infineon Technologies

日本の代表的な半導体関連株

日本市場では、半導体製造装置や検査装置に強みを持つ企業が多く上場しています。代表例として、次のような銘柄があります。

  • 東京エレクトロン(8035):半導体の製造工程で使用される各種製造装置を展開
  • アドバンテスト(6857):半導体が正常に動作するかを確認するテスト装置を展開
  • SCREENホールディングス(7735):洗浄装置を含む半導体製造装置を展開
  • レーザーテック(6920):半導体製造工程で使われる検査・計測装置を展開
  • ルネサスエレクトロニクス(6723):車載、産業機器向けなどの半導体を展開
  • ローム(6963):アナログ半導体やパワー半導体などを展開
  • キオクシアホールディングス(285A):NAND型フラッシュメモリを中心に展開

同じ半導体関連株でも、AIデータセンター投資の影響を強く受ける企業と、自動車生産やスマートフォン販売の影響を受ける企業では、業績の動きが異なります。「半導体株」という名称だけで一括りにせず、売上高がどの製品や顧客から生まれているかを確認することが大切です。

半導体株の株価を動かす7つの要因

1.AIデータセンターへの設備投資

生成AIの学習や推論には、大量の演算を高速で処理する半導体が必要です。大手クラウド企業がAIデータセンターへの投資額を増やすと、GPU、メモリ、ネットワーク半導体、製造装置などの需要拡大が期待されます。

一方、投資額が大きくなりすぎると、「投資に見合う収益を得られるのか」という懸念が株式市場で意識されることがあります。設備投資の増加は半導体会社にとって追い風になり得ますが、投資する側の企業の収益性に対する不安が市場全体の下落につながる場合もあります。

2.メモリ価格と在庫の変化

DRAMやNANDなどのメモリは、需要と供給のバランスによって価格が大きく変わりやすい製品です。供給不足で販売価格が上昇すれば、メモリ会社の利益が増える可能性があります。

反対に、各社が一斉に生産を増やして供給過剰になると、製品価格が下がり、売上高が増えても利益率が悪化することがあります。メモリ関連株では、出荷数量だけでなく、販売単価、在庫水準、生産調整の方針も重要です。

3.スマートフォン、パソコン、自動車の販売

半導体はAIサーバーだけでなく、スマートフォン、パソコン、自動車、家電、産業機械など幅広い製品に搭載されています。これらの最終製品の販売が減ると、半導体の在庫が積み上がり、メーカーからの発注が減少する場合があります。

特に車載半導体や産業機器向け半導体は、AI向けとは異なる景気循環で動くことがあります。AI需要が好調でも、自動車や産業機器向けの回復が遅れている企業では、業績全体が伸びにくい場合があります。

4.半導体メーカーの設備投資計画

製造装置会社の業績は、半導体メーカーが工場や製造ラインにどれだけ投資するかに左右されます。新工場の建設や先端製造工程への移行が進むと、製造装置や検査装置への需要が増加します。

ただし、設備投資の発表から装置の受注、出荷、売上計上までには時間差があります。大規模な工場建設が発表されたからといって、すぐにすべての装置会社の利益が増えるわけではありません。

5.為替レート

海外売上高の比率が高い日本企業では、円安が円換算の売上高や利益を押し上げる場合があります。一方で、海外から調達する部品や原材料の費用が増えるため、円安が必ず利益増加につながるとは限りません。

企業の想定為替レートと実際の為替レートの差、為替予約の状況、海外生産比率なども確認する必要があります。

6.輸出規制や国際情勢

半導体は経済安全保障上の重要品目であり、各国の輸出管理や関税政策の影響を受けます。特定地域向けに販売できる製品が制限された場合、売上高の減少や製品設計の変更が必要になることがあります。

また、半導体の生産拠点や原材料の供給地域が偏っている場合、地震、紛争、物流の混乱などが生産に影響を与える可能性があります。

7.市場の期待と株価の割高感

半導体株では、実際の利益が増える前から成長期待によって株価が上昇することがあります。その結果、決算が増収増益であっても、市場予想を下回ったことで売られる場合があります。

株価が大きく上昇した後は、PERなどの株価指標が過去平均を大幅に上回っていないか、利益成長の予想が現実的かを確認することが重要です。

半導体株では、売上高が伸びているかだけでは判断できません。決算書のどこを確認すればよいのか、個別株とETFのどちらが合うのかを次のページで整理します。