不動産投資の利回り計算は「表面」と「実質」を分けて考える

不動産投資では、物件情報に「利回り〇%」と表示されることがあります。しかし、その数字が何をもとに計算されているかを確認しないと、実際の収益性を見誤る可能性があります。

表面利回りとは

表面利回りとは、年間家賃収入を物件価格で割ったものです。管理費、修繕費、固定資産税、空室期間などは考慮しません。

表面利回り(%)=年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100

たとえば、2,000万円の物件で年間家賃収入が100万円なら、表面利回りは5%です。

100万円 ÷ 2,000万円 × 100 = 5%

表面利回りは、物件同士を大まかに比べるときには便利です。しかし、実際には家賃収入がそのまま手元に残るわけではありません。

実質利回りとは

実質利回りは、年間家賃収入から管理費、修繕費、税金、保険料などの経費を差し引いて計算します。購入時の諸費用を含めて考えることもあります。

実質利回り(%)=(年間家賃収入 − 年間経費)÷(物件価格+購入時諸費用)× 100

たとえば、物件価格2,000万円、購入時諸費用100万円、年間家賃収入100万円、年間経費30万円の場合、実質利回りは次のようになります。

(100万円 − 30万円)÷(2,000万円+100万円)× 100 = 約3.33%

表面利回りでは5%に見えても、経費を含めると実質利回りは下がります。さらに空室が出れば家賃収入が減り、修繕費が想定以上にかかれば手取りも減ります。

利回り5%の投資は良い?数字だけで判断しない

「利回り5%」と聞くと、魅力的に感じるかもしれません。100万円を投資して税引前で年5万円、500万円なら年25万円の収益イメージです。

ただし、実際の手取りは税金や手数料によって変わります。上場株式等の配当や譲渡益は、一般的に20.315%の税率が関係します。NISA口座で対象商品を非課税枠内で保有する場合は、制度上、配当金や売却益が非課税になるケースがありますが、すべての商品や取引が対象になるわけではありません。

税引前で5万円の収益があっても、課税口座では税金を考慮した手取りは少なくなります。さらに、投資対象の価格が下がれば、配当や分配金を受け取っていても元本割れする可能性があります。

利回り5%を見るときの確認ポイント

  • 税引前なのか、税引後なのか
  • 手数料や管理費を含めた数字なのか
  • 元本価格が変動する商品なのか
  • 配当や分配金が今後も続く前提に無理がないか
  • 不動産なら空室・修繕・税金を考慮しているか

利回りは便利な比較指標ですが、将来の利益を約束するものではありません。特に「高利回り」「元本保証」「必ず儲かる」といった表現が並ぶ案件では、内容を慎重に確認する必要があります。

次のページでは、利回りランキングや高利回り案件を見るときに、失敗を避けるための具体的なチェック方法を紹介します。