個人向け国債のデメリットと注意点
発行後1年間は原則として中途換金できない
個人向け国債は、発行後1年を経過すれば中途換金が可能です。逆にいえば、発行後1年間は原則として中途換金できません。急な出費に備える生活防衛資金や、近いうちに使う予定があるお金を入れる場合は慎重に判断する必要があります。
例外として、保有者本人が亡くなった場合や、大規模な自然災害で被害を受けた場合などは、1年経過前でも中途換金できる特例があります。
中途換金では利子の一部が差し引かれる
発行後1年を過ぎれば中途換金できますが、その際には直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が中途換金調整額として差し引かれます。
個人向け国債は、中途換金時も額面金額100円につき100円で換金されます。ただし、利子の一部が差し引かれるため、「いつでも完全に損なく現金化できる」と考えるのは正確ではありません。
インフレに負ける可能性がある
個人向け国債は、比較的安定した運用を考えやすい一方で、物価上昇率が受け取る利率を上回ると、実質的な購買力が下がる可能性があります。特に固定金利型では、購入後に金利や物価が大きく上がった場合でも、受け取る利率は変わりません。
NISAのような非課税枠では直接購入できない
個人向け国債の利子には、原則として20.315%の税金がかかります。株式や投資信託のようにNISA口座で購入して非課税メリットを受ける商品とは異なります。利回りを比較するときは、税引前ではなく税引後の手取りで考えることが重要です。
個人向け国債はどこで買う?証券会社・銀行・ゆうちょの違い
個人向け国債は、証券会社、銀行、郵便局などの取扱金融機関で購入できます。ゆうちょ銀行でも個人向け国債を取り扱っており、全国のゆうちょ銀行や郵便局の貯金窓口で申し込みが可能です。また、ゆうちょ通帳アプリやゆうちょダイレクトで利用できる手続きもあります。
どこで買うのがよいかは、次の3つで比較すると選びやすくなります。
- 普段使っている金融機関か:口座開設や本人確認の手続きがスムーズかを確認する。
- ネットで購入できるか:店頭に行かずに申し込めるかを確認する。
- キャンペーン条件が合うか:購入金額、対象商品、エントリーの有無を確認する。
キャンペーンやランキングを見るときの注意点
個人向け国債キャンペーンは、証券会社や銀行によって実施状況が変わります。たとえば、2026年6月時点では、一定金額以上の購入で現金をプレゼントするキャンペーンを実施している金融機関があります。ただし、対象期間、購入金額、対象債券、エントリーの必要性、過去の購入履歴による対象外条件などは金融機関ごとに異なります。
そのため、単純なランキングだけで決めるよりも、「自分の購入予定額で対象になるか」「エントリーが必要か」「変動10年・固定5年・固定3年の購入額を合算できるか」「キャンペーンの上限額があるか」を確認することが大切です。
個人向け国債プラスとは?2027年1月発行分から名称変更予定
財務省は、2026年12月募集分、つまり2027年1月発行分から、個人向け国債の販売対象を一部の法人等にも広げる予定です。それに伴い、商品名は「個人向け国債」から「個人向け国債プラス」に変更される予定です。
名称は変わりますが、財務省は商品のラインナップや基本的な商品性に変更はないとしています。個人にとっては、変動10年・固定5年・固定3年という基本的な選択肢を理解しておくことが引き続き重要です。
個人向け国債はいつ買うべき?判断のポイント
個人向け国債の金利は、毎月の発行条件によって変わります。今後の金利を正確に予想することはできませんが、判断するときは次の点を確認するとよいでしょう。
- 1年以内に使う予定のない余裕資金か
- 変動金利と固定金利のどちらが自分に合っているか
- 税引後の利回りで納得できるか
- キャンペーンを含めた実質的な受取額を確認したか
- 銀行預金、定期預金、投資信託など他の商品とも比較したか
金利上昇が続くと考えるなら、変動10年を候補にする考え方があります。一方で、今の利率で将来の利子をある程度確定させたい場合は、固定5年や固定3年も選択肢になります。
個人向け国債を検討する前に確認したいこと
個人向け国債は、元本の安定性を重視する方にとって比較しやすい金融商品です。ただし、預金ではないため預金保険制度の対象ではなく、発行後1年間は原則として中途換金できません。また、利子には税金がかかり、インフレに負ける可能性もあります。
大切なのは、「安全そうだから買う」のではなく、使う予定のない資金か、何年くらい置いておけるか、変動金利と固定金利のどちらが合うかを確認したうえで選ぶことです。2026年7月発行分では、固定5年の税引前利率が年1.86%、変動10年の初回適用利率が年1.74%、固定3年が年1.51%となっています。今後の募集分では条件が変わるため、購入直前には必ず最新の発行条件を確認しましょう。
<参考サイト>財務省 個人向け国債 / 財務省 個人向け国債の発行条件等(令和8年6月3日) / ゆうちょ銀行 国債 / SBI証券 個人向け国債 / SMBC日興証券 個人向け国債キャンペーン / みずほ証券 個人向け国債キャンペーン
