
日本のデータセンター冷却関連銘柄
以下は、データセンター向け空調、液冷設備、サーバー冷却部品、設備工事などとの関わりが確認できる主な上場企業です。掲載順は推奨順位ではなく、株価の上昇を保証するものでもありません。
| 企業名 | 証券コード | データセンター冷却との関わり | 確認したいポイント |
|---|---|---|---|
| ダイキン工業 | 6367 | 大型空調、チラー、液冷関連技術 | データセンター向け売上、買収効果、開発投資 |
| ニデック | 6594 | CDU、水冷モジュール、ファン、ポンプ | 液冷関連の量産状況、受注、利益率 |
| 三菱重工業 | 7011 | チラー、二相式直接液冷、統合冷却設備 | 実証から商用導入への移行、事業規模 |
| 高砂熱学工業 | 1969 | データセンター空調の設計・施工 | データセンター受注、工事採算、人員体制 |
| 三機工業 | 1961 | 局所空調、熱源設備、空調制御 | 産業空調の受注、施工利益率、技術者確保 |
ダイキン工業は空冷から液冷まで事業領域を拡大
ダイキン工業は、家庭用エアコンだけでなく、大型施設で使われる業務用空調機やチラーを展開する世界的な空調メーカーです。データセンターでは、建物全体を冷やす大型冷却設備から、サーバーラック周辺の冷却まで幅広い需要があります。
同社は2025年に、AIデータセンター向けの高密度冷却技術を持つ米国企業DDC Solutionsと、液冷技術を持つChilldyneを傘下に加えました。これにより、従来の空調・チラーに加えて、液冷を含むデータセンター向け冷却システムの強化を進めています。
2026年には、デルタ電子とAI・高性能計算向けCDUの開発で連携する方針を示したほか、NTTデータと空調運転をAIで最適化する実証も開始しています。
ただし、ダイキン工業の売上は住宅用・商業用空調など幅広い分野から構成されています。データセンター市場が拡大しても、その効果が会社全体の利益にどの程度表れるかを確認する必要があります。
ニデックはCDUやサーバー用冷却部品を展開
ニデックは、モーターを中心に、ファン、ポンプ、熱交換器、水冷モジュールなどを製造しています。データセンター向けでは、冷却液を各サーバーへ供給するCDU、配管に相当するCDM、半導体を直接冷却するLCMなどを組み合わせた液冷システムを展開しています。
2025年には、レノボと共同でAIサーバー向け直接液冷システムを検証しました。また、Googleが仕様を公開した液冷用CDUの試作にも取り組んでいます。2026年4月には、AIデータセンター向け液冷製品を紹介する専用サイトを開設しました。
ニデックは液冷関連部品を一体的に提供できる点が特徴ですが、会社全体では車載、産業機器、家電などの事業比率も大きくなっています。液冷製品の受注額や量産開始時期だけでなく、収益性を確認することが重要です。
三菱重工業は二相式の直接液冷を商用施設に導入
三菱重工業は、大型冷凍機やターボ冷凍機などの熱源設備を手がけています。データセンター向けでは、サーバー、電源、冷却設備を組み合わせたコンテナ型施設や、冷却液をGPUへ循環させる直接液冷技術の開発を進めています。
2025年12月には、エクシオグループと共同で構築した施設において、二相式ダイレクト・リキッド・クーリングの商用利用を開始しました。二相式では、冷却液が熱を受けて気体へ変化する際の性質を利用し、GPUから熱を取り除きます。
三菱重工業はエネルギー、防衛、航空、物流など複数の事業を持つため、冷却設備だけで業績が決まる企業ではありません。データセンター冷却事業が将来どの程度の規模になるかが確認項目になります。
高砂熱学工業はデータセンター空調の設計・施工を担う
高砂熱学工業は、空調設備を中心とする設備工事会社です。データセンター向けには、建物全体の空調設計、熱源設備、気流制御、省エネルギー運転などを提供しています。
同社のIDC-SFLOWは、壁面から横方向へ冷気を送るデータセンター向け空調システムです。高負荷ラックへの対応や、熱だまりの抑制を目的としています。
設備工事会社では、データセンターの建設件数が増えると受注機会が拡大します。一方、受注高が増えても、資材費や人件費の上昇によって利益率が低下する可能性があります。受注残だけでなく、完成工事総利益や工事採算を見ることが大切です。
三機工業は局所空調と熱源設備を提供
三機工業は、ビル空調、産業空調、電気設備などを設計・施工する会社です。データセンター向けには、高密度サーバーラックの直下に設置する局所空調システム「L-LAC」を展開しています。
L-LACは、サーバーの配置に合わせて局所的に冷却し、ラック上部などに発生する熱だまりを抑える仕組みです。このほか、フリークーリング、熱源の運転最適化、気流解析などの技術も持っています。
空調設備の施工会社は、メーカーとは収益構造が異なります。製品の販売数量だけでなく、工事の進捗、技術者数、外注費、資材価格などが業績に影響します。
日本株を比較するときは事業の「近さ」に注目
同じデータセンター冷却銘柄でも、関連度には違いがあります。
- 冷却機器メーカー:空調機、チラー、CDUなどを製造する
- 部品メーカー:ファン、ポンプ、モーター、熱交換器などを供給する
- 設備工事会社:冷却設備を設計し、建物へ導入する
- 総合重工・総合電機:複数事業の一部として冷却技術を持つ
データセンター関連事業の売上比率が高い会社ほど、市場拡大の恩恵が業績に表れやすい可能性があります。ただし、設備投資が減速したときの影響も大きくなるため、関連度が高ければ安全というわけではありません。
液冷市場では、日本企業だけでなく世界的な設備メーカーも存在感を強めています。代表的な海外株と、期待先行を避ける確認方法を次のページで解説します。
