
海外の代表的な半導体銘柄
世界の半導体産業では、米国の設計会社、台湾の受託製造会社、欧州や米国の製造装置会社などが重要な役割を担っています。
| 企業名 | 主な上場市場・ティッカー | 主な分野 |
|---|---|---|
| NVIDIA | NASDAQ・NVDA | AI向けGPU、データセンター関連 |
| Advanced Micro Devices | NASDAQ・AMD | CPU、GPU、データセンター向け半導体 |
| Broadcom | NASDAQ・AVGO | 通信・ネットワーク・カスタム半導体など |
| Micron Technology | NASDAQ・MU | DRAM、NAND、HBMなどのメモリ |
| 台湾積体電路製造(TSMC) | 台湾市場・米国ADR | 半導体の受託製造 |
| ASML | オランダ・米国市場 | 露光装置 |
| Applied Materials | NASDAQ・AMAT | 半導体製造装置 |
| Lam Research | NASDAQ・LRCX | 成膜・エッチング装置など |
米国には、工場を自社で持たずに半導体の設計へ特化する企業が多くあります。このような企業は一般に「ファブレス」と呼ばれます。
一方、TSMCは顧客企業が設計した半導体を製造する受託製造会社です。設計会社の販売が伸びると、製造を担う企業にも需要が広がる可能性があります。
世界の半導体市場は拡大している
世界半導体市場統計は、2026年の世界半導体市場が前年比90%増の約1兆5,100億ドルに達すると予測しています。特にメモリ分野の大幅な成長と、AIインフラで使われるHBMや演算用半導体の需要が市場をけん引するとしています。
米国半導体工業会によると、2026年5月の世界半導体販売額は3か月移動平均で1,206億ドルとなり、前月比9.2%増、前年同月比104.1%増でした。
ただし、半導体市場が拡大していることと、すべての半導体銘柄が上昇することは同じではありません。市場の成長が株価へすでに織り込まれている場合、業績が伸びても株価が下落することがあります。
半導体銘柄を選ぶときの7つの比較ポイント
1.半導体産業のどの工程を担当しているか
最初に確認したいのは、企業がどの工程で利益を得ているかです。AI向け半導体の設計会社とシリコンウエハー会社では、業績を動かす要因が異なります。
同じ「AI関連」と紹介されていても、AI向け売上高が事業全体の一部にとどまる場合もあります。決算説明資料などで、製品別・用途別の売上構成を確認することが大切です。
2.売上高と営業利益の両方が伸びているか
売上高が増えていても、原材料費、人件費、研究開発費などがそれ以上に増えれば、利益は減少します。
売上高だけでなく、営業利益や営業利益率が改善しているかを確認しましょう。利益率が継続的に低下している場合は、値下げ競争やコスト増加が起きている可能性があります。
3.受注高と受注残高
製造装置会社や検査装置会社では、受注高や受注残高が将来の売上高を考える材料になります。
ただし、受注から装置の納入、売上計上までには時間差があります。受注残高が多くても、部品不足や顧客の計画変更によって納入が遅れる場合があります。
4.在庫と工場稼働率
半導体メーカーの在庫が増え続けている場合、需要を上回る生産が行われている可能性があります。
一方、需要の増加に備えて意図的に在庫を増やす場合もあります。在庫額だけを見るのではなく、会社が説明している増加理由や、在庫が売上高の何か月分に相当するかを確認する必要があります。
5.特定の顧客に依存していないか
売上高の多くを一部の顧客に依存する企業では、その顧客が発注量や調達先を変更すると業績が大きく変化する可能性があります。
半導体の設計会社だけでなく、製造装置会社や材料会社でも、大口顧客の設備投資計画が重要になります。
6.PERが過去や競合企業と比べて高すぎないか
PERは、株価が1株当たり利益の何倍まで買われているかを表す指標です。
ただし、半導体企業は業績の変動が大きいため、PERが低いだけで割安とは限りません。利益が一時的なピークにある企業ではPERが低く見え、その後の減益で割高になることがあります。
同じ分野の企業や、自社の過去の水準と比較することが重要です。
7.株価にどこまで成長期待が含まれているか
半導体銘柄は、将来への期待によって実際の利益が増える前から株価が上昇する場合があります。
市場が非常に高い成長率を予想している場合、増収増益の決算でも事前予想に届かなければ株価が下落することがあります。現在の業績だけでなく、市場が期待している将来の利益との違いも考える必要があります。
日本株と海外株は何が違う?
| 比較項目 | 日本の半導体株 | 海外の半導体株 |
|---|---|---|
| 代表的な強み | 製造装置、検査装置、材料など | AI半導体設計、受託製造、メモリ、製造装置など |
| 取引通貨 | 主に円 | 米ドル、台湾ドル、ユーロなど |
| 為替の影響 | 企業業績を通じて影響する | 企業業績に加えて円換算額も変動する |
| 取引時間 | 東京市場の取引時間 | 各国市場の取引時間 |
| 情報確認 | 日本語の開示資料を利用しやすい | 英語などの開示資料が中心になる場合がある |
海外株は日本企業では得にくい半導体設計会社や受託製造会社へ直接投資できる一方、為替変動や海外市場の取引制度も理解する必要があります。
企業名を知るだけでは、半導体銘柄を十分に分散したことにはなりません。個別株とETFの違い、半導体特有の下落リスクを次のページで整理します。




