半導体銘柄とは?日本株・米国株の代表例と失敗しにくい選び方

個別株と半導体ETFはどう違う?

個別株は企業ごとの成長を直接反映しやすい

個別株では、選んだ企業の製品や技術が成長した場合に、その恩恵を直接受けられる可能性があります。

一方、新製品の開発遅延、主要顧客の発注減少、不祥事、競争激化などの企業固有リスクも集中して受けます。企業の決算や事業内容を継続的に確認することが必要です。

ETFは複数の半導体銘柄へまとめて投資できる

ETFは、証券取引所に上場している投資信託です。半導体関連の指数に連動するETFを利用すると、複数の企業へまとめて投資できます。

東京証券取引所には、日経半導体株指数への連動を目指すETFや、米国上場の半導体企業で構成されるフィラデルフィア半導体株指数への連動を目指すETFが上場しています。

比較項目個別株半導体ETF
投資先特定の企業複数の半導体関連企業
企業固有リスク影響を強く受ける複数企業へ分散しやすい
銘柄選び自分で企業を選ぶ指数の構成ルールなどに基づく
保有中の費用通常は信託報酬なし信託報酬などがかかる
業界全体の下落企業によって影響が異なるETF全体が下落する可能性がある

ETFは複数企業へ分散できますが、半導体という一つの業界へ集中する点は変わりません。また、時価総額加重型の商品では、上位数社の構成比率が高くなる場合があります。

半導体銘柄に投資する際の主なリスク

シリコンサイクル

半導体業界では、需要が増えるとメーカーが工場や生産設備を増やします。その後、生産能力が需要を上回ると、製品価格が低下し、設備投資も縮小する場合があります。

この需要と供給の循環は、一般に「シリコンサイクル」と呼ばれます。足元の業績が好調でも、増産による将来の供給過剰が意識されると、株価が先に下落することがあります。

AI関連需要の偏り

世界の半導体販売額が増えていても、成長がAI向けの演算用半導体やHBMへ集中している場合があります。

スマートフォン、自動車、家電、産業機器向けの半導体需要が同時に伸びるとは限りません。「半導体市場が成長している」という理由だけで、すべての企業を同じように評価しないことが大切です。

設備投資の反動

製造装置関連企業は、半導体メーカーの設備投資が集中すると業績が急拡大することがあります。一方、大規模な工場投資が一巡した後は、受注が減少する可能性があります。

現在の売上高だけでなく、受注高や顧客の翌年度以降の設備投資計画も確認しましょう。

輸出規制や貿易政策

高性能半導体や半導体製造装置は、経済安全保障上の重要な製品です。輸出管理や関税政策が変更されると、販売できる地域や製品が制限される場合があります。

対象地域への売上比率や、規制対象となる製品の有無によって影響は異なります。

技術の世代交代

半導体産業では、製造技術や製品性能の進歩が速く、次世代技術への対応が遅れると競争力を失う可能性があります。

一方、新しい技術の研究開発や工場建設には多額の費用がかかります。研究開発費が売上高や利益へ結び付いているかを確認する必要があります。

株価の変動が大きい

半導体銘柄は将来の成長期待が高まりやすい一方、その期待が後退すると短期間で大きく下落することがあります。

増収増益の決算であっても、市場予想を下回ったことや、今後の成長率が鈍化したことを理由に売られる場合があります。

半導体銘柄を比較するときのチェックリスト

  • 設計、製造、装置、検査、材料のどの分野か
  • AI、メモリ、車載など、主な需要先はどこか
  • 売上高と営業利益がともに伸びているか
  • 営業利益率が改善しているか
  • 製造装置会社では受注高や受注残高が増えているか
  • 半導体メーカーでは在庫や工場稼働率に問題がないか
  • 一部の顧客や地域へ依存していないか
  • 会社の業績予想が引き上げられているか
  • PERなどが自社の過去や同業他社と比べて高すぎないか
  • 保有資産が半導体銘柄へ偏りすぎていないか
  • 近い将来に必要な生活費を投じていないか

半導体銘柄は企業名より「何で利益を得ているか」を見る

半導体銘柄には、設計会社、半導体メーカー、受託製造会社、製造装置会社、検査装置会社、材料会社などが含まれます。同じ半導体関連企業でも、AI設備投資、メモリ価格、自動車生産、工場稼働率など、業績を動かす要因は異なります。

日本株には製造装置、検査装置、材料などで世界市場に事業を展開する企業が多くあります。海外株では、AI半導体を設計する企業や、半導体を受託製造する企業へ直接投資できます。

企業を比較する際は、知名度や直近の株価上昇率だけでなく、売上構成、利益率、受注、在庫、設備投資、業績予想を確認することが重要です。個別企業の選択が難しい場合は、複数企業へ投資する半導体ETFも選択肢になりますが、業界集中のリスクは残ります。

半導体は今後もAIやデータセンター、自動車、通信などを支える重要な産業ですが、成長産業であることが投資利益を保証するわけではありません。自身の資金計画と許容できる価格変動を踏まえ、資産全体のバランスを考えて判断しましょう。

※本記事は半導体関連企業や金融商品に関する一般的な情報を提供するものであり、特定の銘柄、ETF、投資信託の購入・売却を推奨するものではありません。株式やETFは価格が変動し、投資元本を下回る可能性があります。企業の事業内容、構成銘柄、手数料などは変更される場合があるため、取引前に各社の最新の開示資料をご確認ください。

<参考サイト>日経平均プロフィル/日本取引所グループ/世界半導体市場統計(WSTS)/米国半導体工業会(SIA)/東京エレクトロン/アドバンテスト/レーザーテック/SCREENホールディングス/ルネサスエレクトロニクス/キオクシアホールディングス