新興国株のデメリットは?暴落時に慌てないための注意点
新興国株は成長期待がある一方で、先進国株よりも値動きが大きくなりやすい資産です。長期投資を前提にする場合でも、リスクを理解しないまま購入すると、下落時に売却したくなる可能性があります。
為替リスク:株価が上がっても円高で利益が減ることがある
日本から新興国株へ投資する場合、多くの商品は実質的に外貨建て資産へ投資します。そのため、株価だけでなく為替の影響も受けます。
たとえば、現地通貨や米ドルベースで株価が上がっても、円高が進めば円換算の利益は小さくなることがあります。逆に、株価が大きく上がらなくても円安によって基準価額が押し上げられることもあります。
カントリーリスク:政治・規制・制度変更の影響を受ける
新興国株の大きな特徴がカントリーリスクです。カントリーリスクとは、投資先の国や地域で起きる政治、法律、規制、税制、通貨制度、外交問題などによって、株価や為替が大きく動くリスクを指します。
たとえば、資本規制、外国人投資家への制限、企業への規制強化、地政学的な緊張などが起きると、企業業績が大きく変わらなくても株価が下落することがあります。新興国株では、企業分析だけでなく国や地域の制度面も重要になります。
中国比率が気になる場合は「中国外」も確認
新興国株インデックスの中には、中国関連銘柄の影響を受けやすいものがあります。中国経済の減速や規制強化を気にする場合は、「中国を含む新興国株」なのか、「中国を除く新興国株」なのかを確認することも大切です。
ただし、中国を除く商品を選べば安心という意味ではありません。インド、台湾、韓国、ブラジルなど、ほかの国にもそれぞれのリスクがあります。中国を外すと構成国のバランスが変わり、半導体やインド株など別の要因に左右されやすくなる場合もあります。
暴落時の下落幅が大きくなりやすい
新興国株は、世界的な金融不安や景気後退局面で大きく売られることがあります。外国人投資家が一斉に資金を引き上げると、株価だけでなく通貨も下落し、円換算の基準価額が大きく下がることがあります。
長期投資で考える場合でも、「一時的に30%以上下がる可能性がある」といった前提を持っておくと、下落時に慌てにくくなります。生活費や近いうちに使うお金を新興国株に回すのは避けた方が無難です。
新興国株の投資信託とETFはどう違う?
新興国株へ投資する方法には、主に投資信託とETFがあります。どちらも複数の銘柄に分散投資できますが、使い勝手やコストの見方が異なります。
投資信託:積立しやすく初心者向き
投資信託は、証券会社や銀行で購入できる商品です。毎月決まった金額を自動で積み立てやすく、100円や1,000円など少額から始められる金融機関もあります。
たとえば、eMAXIS Slim 新興国株式インデックスは、新興国株式へ分散投資する低コスト型インデックスファンドの一例です。2026年6月末時点で確認できる販売会社情報では、信託報酬は年率0.1518%程度、信託財産留保額はなしとされています。ただし、手数料や対象指数は変更される可能性があるため、購入前には必ず最新の目論見書を確認してください。
ETF:リアルタイム売買しやすいが慣れも必要
ETFは、証券取引所に上場している投資信託です。株式のように取引時間中に売買できるため、価格を見ながら注文したい人には使いやすい面があります。
一方で、海外ETFの場合は為替手数料、売買手数料、外国税制、分配金の扱いなどを確認する必要があります。国内ETFでも、売買単位や流動性、信託報酬、分配金の方針を比較することが大切です。
初心者は「低コスト・広く分散・積立しやすいか」を見る
商品名だけで選ぶのではなく、次の点を確認すると失敗を減らしやすくなります。
- 連動する指数は何か
- 中国、台湾、韓国、インドなどの構成比率はどうか
- 信託報酬などの保有コストは低いか
- NISAのつみたて投資枠・成長投資枠で購入できるか
- 純資産総額が極端に小さくないか
- 為替ヘッジの有無はどうなっているか
新興国株は商品選びよりも、資産全体の中でどれくらい持つかが重要です。次のページでは、米国株や全世界株と比較しながら割合の考え方を解説します。
