新興国株は必要?米国株・全世界株と比較して考える

新興国株は魅力のある投資先ですが、すべての人に必ず必要とは限りません。すでに全世界株式インデックスに投資している場合、その中に新興国株が含まれていることが多いため、追加で買うと新興国比率が高くなります。

米国株と新興国株の違い

米国株は、世界的な大企業が多く、情報開示や市場制度も整っています。一方、新興国株は成長余地がある反面、政治・通貨・制度面の不安定さがあります。

米国株中心の投資はわかりやすい一方、米国市場に偏るリスクがあります。新興国株を一部加えることで、米国とは異なる成長要因を取り込める可能性があります。ただし、短期的には米国株より大きく下がる場面もあるため、無理に比率を高める必要はありません。

全世界株を持っている人は追加投資のしすぎに注意

全世界株式インデックスは、時価総額に応じて先進国株と新興国株をまとめて保有する仕組みの商品が多くあります。そのため、全世界株だけでも一定の地域分散はできます。

そこに新興国株インデックスを追加すると、「新興国に強めに賭ける」形になります。新興国の成長を期待して少し上乗せする考え方はありますが、下落時に耐えられる範囲にとどめることが大切です。

新興国株の割合はどう考える?

新興国株の適切な割合は、年齢、収入、保有資産、投資経験、値下がりへの耐性によって変わります。明確な正解はありません。

初心者の場合は、まず全世界株式インデックスや先進国株式インデックスを中心にし、新興国株は少額から試す方法があります。すでに投資経験があり、価格変動に慣れている人でも、新興国株に資産の大部分を集中させるのは慎重に考えた方がよいでしょう。

目安としては、「大きく下がっても積立を続けられる金額か」「数年間低迷しても生活に影響がないか」を基準にすると判断しやすくなります。

NISAで新興国株を買うときの注意点

2024年からのNISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能です。金融庁のNISA特設サイトでは、年間投資枠はつみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円、合計360万円まで、非課税保有限度額は1,800万円、そのうち成長投資枠は1,200万円までとされています。

新興国株インデックスファンドの中には、NISAのつみたて投資枠や成長投資枠の対象になっている商品があります。ただし、すべての商品が対象ではありません。購入前に、利用している金融機関の画面や最新の目論見書で確認してください。

NISAでも損失はなくならない

NISAは、投資で得た利益や分配金が一定の範囲で非課税になる制度です。ただし、元本保証ではありません。新興国株が下落すれば、NISA口座で保有していても評価額は下がります。

また、NISA口座の損失は、課税口座の利益と損益通算できません。税制面のメリットだけで選ぶのではなく、長く持てる商品かどうかを優先して考えることが大切です。

最後に押さえたい判断軸

新興国株は、将来の経済成長を取り込める可能性がある一方で、為替リスク、カントリーリスク、暴落時の下落幅などを理解しておく必要があります。

「新興国株はおすすめか」と一言で答えるなら、短期で大きな利益を狙う商品というより、長期の資産形成で世界への分散を広げるための選択肢と考えるのが自然です。

すでに全世界株を持っている人は、追加で買う必要があるかを確認しましょう。米国株や先進国株に偏っている人は、新興国株を少額から組み入れることで地域分散を広げられる可能性があります。

大切なのは、将来の見通しを当てようとすることではなく、上がっても下がっても続けられる配分にすることです。新興国株に期待を持つ場合でも、生活資金を確保し、無理のない金額で長期的に向き合うことが重要です。

<参考サイト>MSCI / 金融庁 NISA特設ウェブサイト / 三菱UFJアセットマネジメント eMAXIS / 楽天証券 投資信託情報 / Yahoo!ファイナンス / Reuters