
海外の代表的なデータセンター関連銘柄
米国市場には、データセンターを世界規模で運営するREITや、電力・冷却設備を供給する企業が上場しています。海外株では、企業業績に加えて為替変動や現地の金利動向も投資成果に影響します。
| 企業名 | ティッカー | 主な事業 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|
| Equinix | EQIX | データセンター、相互接続サービス | 金利、設備投資負担、電力確保 |
| Digital Realty Trust | DLR | データセンターREIT | 金利、借入コスト、稼働率 |
| Vertiv Holdings | VRT | 電源、冷却、液冷設備 | 期待先行の株価、受注変動、部材費 |
| Eaton | ETN | 配電、電力管理、バックアップ電源 | 設備投資循環、受注残、利益率 |
EquinixとDigital RealtyはデータセンターREIT
Equinixは、企業、通信事業者、クラウドサービスを相互に接続するデータセンターを世界各地で運営しています。2026年時点で、270を超えるAI対応データセンターを展開しています。
Digital Realtyは、世界55以上の都市圏で300を超えるデータセンターを運営する大手事業者です。大規模なクラウド事業者から一般企業まで、幅広い顧客に施設や接続サービスを提供しています。
両社はREITとして運営されているため、賃料収入や稼働率が重要です。また、施設の取得や建設に借入金を利用することが多く、金利が上昇すると資金調達コストや株価評価に影響する可能性があります。
VertivとEatonは電力・冷却インフラを供給
Vertivは、データセンター向けのUPS、電力管理、空調、液冷、モジュール型設備などを提供しています。AIサーバーの高性能化によって、従来の空冷だけでは十分に冷却できないケースが増えており、液冷関連の需要が注目されています。
Eatonは、配電設備、開閉装置、バックアップ電源、電力管理システムなどを手がけています。AIデータセンターの建設では、電力網からサーバーまで安定して電気を届ける仕組みが必要になるため、電力設備メーカーも関連銘柄として扱われます。
データセンター関連銘柄を選ぶ5つの確認ポイント
1.データセンター関連売上の比率
「データセンター関連」と紹介されていても、会社全体の売上に占める割合が小さい場合があります。関連事業の売上高、受注高、営業利益が開示されているかを確認しましょう。
データセンター事業の割合が高い企業は、市場拡大の恩恵を受けやすい一方、設備投資の減速や競争激化の影響も受けやすくなります。
2.受注額ではなく利益とキャッシュフローを見る
大型案件を受注しても、建設費や機器代、人件費が想定以上に増えれば、十分な利益を確保できない可能性があります。
売上高や受注残だけでなく、営業利益率、営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフローも確認することが大切です。
3.電力を確保できるか
データセンターの建設計画が発表されても、送電網への接続や必要な電力の確保に時間がかかる場合があります。土地を取得しているだけなのか、電力契約まで進んでいるのかによって、計画の実現性は異なります。
再生可能エネルギーの利用、長期電力契約、自家発電、蓄電池の導入なども確認材料になります。
4.AIサーバーの高密度化に対応できるか
生成AI向けGPUサーバーは消費電力と発熱量が大きいため、一般的なデータセンターをそのまま利用できるとは限りません。
高容量の受電設備、水冷・液冷設備、高速通信回線を備えているかは、AIデータセンターとしての競争力を左右します。
5.株価に成長期待が織り込まれていないか
データセンターや生成AIは注目度の高いテーマであり、業績が伸びる前に株価が大きく上昇することがあります。
PERやPBRだけで割安・割高を判断するのではなく、利益の成長率、設備投資額、借入金、同業他社の評価などを比較する必要があります。
データセンター投資で注意したいリスク
巨額の設備投資が必要になる
土地、建物、サーバー、電源、冷却設備には多額の資金が必要です。施設が完成しても稼働率が上がらなければ、減価償却費や利息の負担が残ります。
電力不足で計画が遅れる可能性がある
建設用地を確保できても、電力網への接続が遅れれば開業時期が延期されることがあります。地域住民との調整や環境規制への対応が必要になる場合もあります。
設備が短期間で旧式化する可能性がある
GPUや冷却技術は急速に進化しています。現在の設備が数年後の高密度サーバーに対応できなければ、追加投資や改修が必要になります。
金利と為替の影響を受ける
借入金の多い事業者やREITでは、金利上昇が利益を圧迫する可能性があります。米国株を円で購入する場合は、株価が上昇しても円高によって円換算の利益が減ることがあります。
AI投資の減速が関連企業全体に波及する
クラウド大手やAI企業が設備投資計画を縮小した場合、データセンター運営、電源、冷却、建設、半導体など、広い範囲に影響が及ぶ可能性があります。
データセンター関連銘柄のよくある疑問
データセンター専業に近い企業ほど有望ですか?
必ずしもそうとは限りません。専業に近い企業は市場拡大の恩恵を受けやすい反面、需要減少や設備投資負担の影響も大きくなります。通信大手や総合電機メーカーは関連事業の比率が低い一方、複数事業による安定性があります。
データセンター銘柄と半導体銘柄は同じですか?
関連性はありますが、同じではありません。半導体企業はGPU、CPU、メモリーなどを供給します。データセンター運営会社は、それらを設置する施設、電力、通信、保守サービスを提供します。
日本株と米国株ではどちらが選びやすいですか?
日本株は円で取引でき、国内の政策や電力事情を把握しやすい点が特徴です。米国株には世界規模の運営会社や大手設備メーカーがありますが、為替、現地税制、金利なども考慮する必要があります。
1社に絞れない場合はどうすればよいですか?
運営、電源、冷却、半導体など複数分野に分散する方法があります。データセンターやAI関連企業を組み入れたETFを利用する選択肢もありますが、組入銘柄、信託報酬、為替ヘッジの有無を確認することが必要です。
注目テーマほど「何で利益を得る会社か」を確認する
データセンター市場は、生成AI、クラウド、動画配信、企業のデジタル化を支える重要なインフラです。一方、「データセンター関連」という共通点があっても、運営会社、通信会社、電源メーカー、建設会社では、成長要因とリスクが異なります。
銘柄名や話題性だけで判断せず、関連事業の売上比率、受注残、利益率、設備投資、借入金、電力の確保状況を確認することが重要です。将来の需要予測だけでなく、現在の業績と株価評価を合わせて見ることで、期待先行の投資を避けやすくなります。
本記事はデータセンター関連企業についての情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の購入や売却を推奨するものではありません。株式やETFの価格は変動し、元本割れが生じる可能性があります。
<参考サイト> 国際エネルギー機関(IEA)/経済産業省/資源エネルギー庁/NTTグループ/KDDI/さくらインターネット/インターネットイニシアティブ/ブロードバンドタワー/富士電機/関電工/Equinix/Digital Realty/Vertiv/Eaton/Global X Japan
