住民税は、給料や年金から引かれる身近な税金ですが、「なぜ急に高くなったのか」「いつから払うのか」「非課税世帯に該当するのか」がわかりにくい税金でもあります。特に2026年度の住民税は、前年の収入や税制改正の影響を受けるため、通知書を見て戸惑う方も少なくありません。この記事では、住民税とは何か、基本的な計算方法、年収別の目安、特別徴収・普通徴収の違い、ふるさと納税との関係まで、初心者にもわかりやすく整理します。

住民税や家計の見直しをイメージした書類と電卓の写真

この記事でわかること

  • 住民税とは何か、所得税との違い
  • 住民税の計算方法と年収別の目安
  • 住民税はいつから払うのか、通知書はいつ届くのか
  • 特別徴収・普通徴収・年金からの天引きの違い
  • 住民税非課税世帯の2026年度の目安
  • 住民税を適正に安くするために確認したいこと

住民税とは?前年の所得にかかる「地域のための税金」

住民税とは、都道府県と市区町村に納める地方税のことです。一般的には、道府県民税・都民税と、市町村民税・特別区民税を合わせて「住民税」と呼びます。教育、福祉、道路、公園、ごみ処理、防災など、地域の行政サービスを支えるための財源として使われます。

住民税の大きな特徴は、前年1年間の所得をもとに、翌年度に課税されることです。たとえば2026年度の住民税は、原則として2025年1月から12月までの所得をもとに計算されます。そのため、退職して現在の収入が下がっていても、前年に収入が多ければ住民税が高くなることがあります。

所得税との違いは「払うタイミング」

所得税は、その年の所得に対して毎月の給与や年末調整、確定申告で精算されます。一方、住民税は前年の所得をもとに翌年6月ごろから納付が始まります。つまり、住民税は収入の変化が少し遅れて反映される税金です。

新社会人の1年目に住民税の天引きが少ない、またはないことがあるのは、前年に課税対象となる所得がないケースが多いためです。反対に、退職後や転職後に住民税の納付書が届いて驚くのは、前年の所得に対する税額を後から納める仕組みだからです。

住民税の計算方法|基本は「所得割+均等割」

住民税の計算方法は、細かく見ると所得控除や税額控除が関係しますが、基本の考え方は次のとおりです。

住民税の基本式

住民税 = 所得割 + 均等割 + 森林環境税

所得割 = 課税所得金額 × 税率10% − 税額控除

所得割は、前年の所得に応じてかかる部分です。標準税率は合計10%で、市区町村民税が6%、道府県民税・都民税が4%です。政令指定都市では配分が異なる場合がありますが、合計は原則10%です。

均等割は、一定以上の所得がある人に定額でかかる部分です。標準的には市区町村民税3,000円、道府県民税・都民税1,000円の合計4,000円です。さらに、2024年度からは森林環境税として年額1,000円が個人住民税の均等割とあわせて徴収されています。ただし、自治体によっては超過課税などにより金額が異なる場合があります。

住民税のざっくり計算ステップ

  • 1年間の収入から給与所得控除や公的年金等控除などを差し引く
  • 社会保険料控除、基礎控除、扶養控除、生命保険料控除などの所得控除を差し引く
  • 残った課税所得金額に住民税率10%をかける
  • 調整控除、寄附金税額控除、住宅ローン控除などの税額控除を差し引く
  • 均等割と森林環境税を加える

実際の住民税は、扶養家族の有無、社会保険料、生命保険料、医療費控除、住宅ローン控除、ふるさと納税などで変わります。そのため、同じ年収でも住民税が同じになるとは限りません。

住民税の年収早見表|会社員・独身の概算イメージ

以下は、給与収入のみの会社員で、扶養なし・独身・基礎控除と給与所得控除、一般的な社会保険料控除を考慮した場合の大まかな目安です。実際の税額は自治体や控除内容で変わるため、正確な金額は住民税決定通知書で確認してください。

年収の目安住民税のざっくり目安見方のポイント
110万円以下非課税となる場合が多い2026年度の給与のみ・単身の目安。自治体や条件で異なる
150万円数千円〜数万円程度均等割が発生し、所得割も少額かかる可能性
300万円10万円前後社会保険料や控除額で差が出やすい
500万円20万円台前半程度扶養や住宅ローン控除の有無で変動
700万円30万円台後半程度賞与や控除の影響を確認したい年収帯

住民税を正確に知るには、毎年5月から6月ごろに届く住民税決定通知書を見るのが最も確実です。そこには、所得金額、所得控除、税額控除、年税額、毎月の天引き額などが記載されています。

次のページでは、住民税が「いつから」「どの方法で」引かれるのかを整理します。ここを知らないと、退職後や転職後に大きな納付書が届いて慌てる原因になります。