備蓄米の流通の現状はどうなっている?

備蓄米を購入したいけれど、どこに行けば売っているの?今どれくらいの量が流通しているの?という方は多いのではないでしょうか?今回は備蓄米の保管場所や現在の市場への流入量や、流通が進まない背景について解説したいと思います。

※本記事は2025年5月22日時点の情報です。

備蓄米の保管場所は?

政府の備蓄米の保管場所は災害時や供給不足のリスクを分散するために全国にあり、JAなどの政府寄託倉庫約300カ所に保管されています。特に米の保有量が多いのは北海道、東北地方、新潟県の日本の米生産量上位地域となっています。保管場所は防犯上の理由や、災害時のリスクを抑えるために非公開となっています。

備蓄米の市場への流通量

これまでに3回の備蓄米の入札が行われていますが、最初の2回で備蓄米の9割以上はJA全農が落札しました。その量は全量で約20万トンとなっています。落札された備蓄米のJA全農での出荷済数量合計は2025年5月22日現在52%となっています。政府の発表だと3月下旬以降に順次スーパーなどで販売されるはずの備蓄米ですが、JA全農では本格的に店頭に並ぶのは4月以降になるとの見方をしており、1か月以上の開きがあります。

3回目の備蓄米の入札では30万トンの備蓄米が放出されました。1、2回目と違い随意契約での業者に売り渡しとなっています。その際に価格は政府側が決定しており、店頭に並ぶ際には5キロ当たり税込み2160円程度を想定しています。また、政府は小売業者には8月までに消費者に行き渡る量を申し込むように求めています。

出典:JA全農

現在、備蓄米はイオンやアイリスオーヤマで限定的ですが販売されている他、楽天ではネット予約も開始されています。楽天は予約が殺到したため売り切れの状態になっていますが、順次商品が再入荷し次第予約を解放するとのことで、再入荷したかどうかはこちらのページから確認することができます。

流通が進まない理由とは?

JA全農では、取引実績のある卸売業者にしか販売しない意向を明確にしています。その一方で、農林水産省は備蓄米が転売されて値段が上がるのを防ぐために備蓄米を仕入れた卸売業者が他の卸売業者に転売することは認めていませんでした。

この結果、JAグループと取引のない中小の卸売業者は備蓄米を入手できないため、そこから米を仕入れている中小のスーパーにも備蓄米が行き渡りにくくなっています。このことから、備蓄米の流通の偏りをなくすために3回目の入札からは卸売業者同士の売買を認めました。