エヌビディア株価の急騰例
エヌビディアの株価は近年、特に直近2年間で驚異的な上昇を見せています。2023年から2024年にかけての2年間だけで、株価はおよそ9.6倍にも膨れ上がるという劇的な値上がりを記録しました。具体的には、2023年に3.4倍、2024年に約2.8倍という急激な上昇を遂げています。
特に注目すべきは2023年5月の決算発表後の動きです。この時、会社の売上と利益が予想を大きく上回ったことから株価が急上昇し、その後もAI関連技術の広がりによる追い風を受けて急上昇しました。
この急騰の背景には、2022年11月に公開された対話型AI「ChatGPT」の爆発的な人気があります。これを契機に人工知能関連の代表的な企業としてエヌビディアの株が注目され、アメリカのハイテク株全体の上昇を牽引する存在となりました。時価総額で一時は世界一の企業にまでなったこともあります。
このように、エヌビディアの株価はAI需要の急速な拡大を背景に、短期間で何倍もの急騰を繰り返しています。
エヌビディア株価の急落例
エヌビディアの株価は、2025年の年初以降に注目すべき急落が複数回見られました。
まず2025年1月上旬に最高値を記録した後、1月下旬から急激な下落局面に入りました。この下落の主な要因として、中国企業「ディープシーク」が開発した低コストで高性能なAI技術が市場の注目を集めたことが一因と考えられます。エヌビディアの株価はその後も下落を続け、3月から4月にかけて大きく下落しました。
さらに2025年4月には、アメリカ政府が中国向けの半導体輸出規制を強化する方針を発表したことを受けて、取引時間外で株価が6%も急落する事態となりました。この規制強化により、エヌビディアの中国向け主力製品「H20」の輸出に大きな制約がかかる懸念が広がったのです。
AIや決算発表との関係
エヌビディアの株価は、人工知能技術の発展状況や会社の業績発表と強く連動しています。
2022年11月に対話型AI「ChatGPT」が公開されて以降、AI関連技術の急速な普及により、エヌビディアの画像処理半導体への需要が爆発的に増加しました。同社はAI用半導体市場で圧倒的な強さを持っていたため、この追い風を受けて株価が急上昇し、2025年1月には一時153ドルに達し、ChatGPT登場時の約16ドルから約9倍にまで上昇しました。
また、四半期ごとの業績発表も株価に大きな影響を与えています。売上高や利益が市場の予想を上回ると、株価は大きく上昇する傾向があります。反対に、アメリカ政府による中国向け半導体の輸出規制などで売上見通しが下方修正されると、株価は下落します。